個人技重視のサッカー リーガ・エスパニョーラ
リーガ・エスパニョーラは、欧州のサッカー強豪国のひとつであるスペインのプロサッカーリーグです。ここ数年は、レアル・マドリードと、バルセロナによる強力なライバル関係の2強が突出しているところに、成長著しいアトレティコ・マドリードが猛追しているという情勢が続いています。
レアル・マドリードは、銀河系軍団と呼ばれ、世界最高年俸と言われている、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドをはじめ、潤沢な資金力をバックに、世界中の代表クラスの選手を獲得しています。一方、バルセロナも、負けず劣らずの資金力を持ち、アルゼンチン代表の至宝メッシを中心に、こちらも世界中の代表クラスの選手が揃っています。
スペイン代表に象徴されるような、速いパスで組み立てながら高いポゼッション率を保ちつつ試合を支配し、優れた個人技を持った主力選手が突破して行くという、スピード感のあるスタイルのチームが多く、まるでひとつの生き物であるかのように連動した組織力は、見る者を魅了します。
欧州のサッカー イングランド
サッカー発祥の地、イングランドのプレミアリーグは、欧州最強のサッカーリーグと言われています。
イングランド国内の法律も絡み、外国人選手が入国して就労ビザを発行されるためには、各国の代表で直近2年間で75%以上の試合に出場経験が無ければならないという厳しい条件をクリアした選手しか認めらないため、自ずとレベルの高い選手のみが集まる仕組みになっており、これも最強のサッカーリーグと言われる理由のひとつです。また、自国育成選手を7人以上、選手登録しなければならないレギュレーションになっており、若い段階から選手が成長できるチャンスも生まれています。
イングランドプレミアリーグは、大富豪をオーナーに持ち、豊富な資金力を持つチェルシーをはじめ、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、アーセナルなど、一部を挙げただけでも、どこが優勝してもおかしくない強豪チームが集う、欧州最強のサッカーリーグです。
欧州のサッカー EL戦
ヨーロッパリーグ(EL)は、欧州サッカー連盟の主催で毎年9月から翌年の5月のかけて開催される、クラブチームによるサッカー国際大会。インターシティーズ・フェアーズカップとして創設された大会が前身です。
ヨーロッパリーグは、各国リーグの上位クラブ同士が対戦することもあって、非常にレベルの高い大会でしたが、CL(チャンピオンズ・リーグ)の隆盛によりCLの出場権を逃したチームによる不名誉な大会になっていった経緯がありました。しかし、チャンピオンズ・リーグ(CL)のグループ3位以下のチーム、CL予選プレーオフ敗退組みチームをも参加可能とすることで隆盛を回復。また変則ホーム&アウェー形式のリーグ戦を実施、また4つ星以上のスタジアムでの開催など、より格式高い大会とする努力もなされました。またこの大会で優勝したチームはチャンピオンズ・リーグへの出場資格が与えられます。
予選はトーナメントで行われ、ホーム&アウェー戦で実施されます。グループリーグは48チームを4クラブずつ、12グループに分けたグループリーグを実施します。そのグループリーグ上位2チームが決勝トーナメントに進み、決勝戦まで戦います。
ヨーロッパサッカーから絶滅しつつあるレジスタの未来
欧州は言わずとしれた世界最高峰のサッカークラブが集まっている地域です。
もちろんブラジルやアルゼンチンなど南米にはサッカー大国と呼ばれる国がありますが、クラブチームのレベルは欧州の方が頭一つ抜きん出ていると言ってもよいでしょう。クラブチームはレベルが高いがゆえにその戦術の進化も凄まじく、近代サッカーにおいて合理化は戦術を構築する際の必須条件のひとつになっていると言えます。
近代サッカーにおける戦術の合理化とともに、いわゆるトップ下のポジションでプレーするファンタジスタと呼ばれる選手は欧州のサッカークラブではほとんど見かけなくなりました。
もちろん、タイプとしてファンタジスタと言ってもよいロナウジーニョのような選手もいますが、こうしたタイプの選手も主戦場がサイドになるケースがほとんどで、トップ下には機動力のある選手や、シャドーストライカーに近いタイプの選手が起用されることが多くなっています。
そして、最先端の戦術では「いかに中盤で手数をかけずに効率的にゴールを奪えるか」ということが重要になりつつありますが、その影響で中盤の底で長短のパスを織り交ぜながらボールを散らす役割を担うレジスタさえも絶滅に瀕しています。実際にヨーロッパのクラブではシャビがバルサを去り、ピルロも引退し生粋のレジスタはどんどん少なくなっています。また、日本を代表するレジスタタイプの柴崎選手も所属クラブのヘタフェでは、中盤を省略するチームの戦術にプレースタイルがフィットせず出場機会を得られていない状況です。
しかし、これまでの欧州のクラブチームを見てみると想像性溢れるファンタジスタは、戦術の進化によって整備されたアタッキングサード中央付近での守備のプレッシャーを避けるようにサイドやボランチの位置に主戦場を移してきた歴史があります。
これと同じようにレジスタもその類まれなパス能力を生かすべく、敵からのプレッシャーが少なく常に前向きでプレーが可能な最終ラインのポジションに主戦場を移して生き残っていくのかもしれません。